滋賀会社設立.com 税理士法人GrowUp 077-532-8368 平日 9:00〜18:00 無料相談する
会社設立

決算月の決め方ガイド|会社設立時に知っておきたいポイント

決算月の決め方ガイド|会社設立時に知っておきたいポイント

 

はじめに:決算月は自由に決められる

会社を設立するとき、多くの起業家は「決算月って3月か9月じゃないといけないのでは?」と思い込んでいます。実際には、決算月は1月から12月まで自由に選べます。

ただし「自由に決められる」と「最適に決められる」は別問題です。決算月の選択によって、その後の資金繰り、納税時期、税理士の報酬額、そして節税効果まで変わってきます。

滋賀県で会社設立をサポートしてきた経験から、多くの起業家が「正しい情報がないまま安易に決めてしまい、後々困っている」というケースを見てきました。決算月は一度決めると変更が手間なため、設立当初の選択が重要です。

 

決算月が影響する4つの重要なポイント

決算月を決める前に、どの要素に気をつけるべきか理解しましょう。

1. 消費税の免税期間を最大化する

新設法人は、特定の条件下で消費税が免税されます。

資本金が1,000万円未満の会社は、原則として最初の2事業年度は消費税の申告・納税が不要です。ただし「2年間」ではなく「2事業年度」であることに注意が必要です。

例を示します。

  • 4月1日設立、決算月が3月の場合:最初の事業年度は4月1日~翌年3月31日の1年間。2事業年度目は翌々年4月1日~翌々々年3月31日。消費税免税は最初の2事業年度のため、3事業年度目は翌々々年4月以降から課税対象になります。
  • 4月1日設立、決算月が12月の場合:最初の事業年度は4月1日~12月31日の9か月。2事業年度目は翌年1月1日~12月31日の1年。このケースでも免税対象は2事業年度で変わりません。

つまり、事業年度の長さを工夫することで「消費税の免税を受ける期間を長くしたい」という目標を達成することは難しい仕組みになっています。ただし、売上が少ない初期段階では免税の恩恵が限定的なため、この点だけで決算月を決める必要はありません。

なお、ある程度の規模から法人化する場合は「特定期間」に該当することもあるため、免税期間が最大2年にならないケースがある。その場合でも、設立日と決算月の組み合わせを工夫することで、消費税の免税期間を最大1年7か月確保できるケースがある。このあたりは事業規模や売上見込みによって判断が分かれるため、設立前に税理士へ相談しておくのが確実。

2. 資金繰りと納税時期を合わせる

決算月を決める際、最も重要なのは「納税時期に十分な資金があるか」です。

法人税や消費税の申告・納税は、決算月の2か月後が期限になります。例えば3月決算なら5月末が納税期限、9月決算なら11月末が期限です。

このタイミングで資金が足りない場合、銀行からの融資を受けるか個人資産から補てんする必要が生じます。これを避けるために、売上が入るサイクルと納税時期を意識して決算月を選びます。

起業家が「3月決算はダメ」とよく言うのは、実は税理士の繁忙期と関係があります。個人の確定申告が2月~3月に集中するため、税理士は会社の決算業務が後回しになりやすい。その結果、申告期限ぎりぎりになって慌てるという悪循環です。

 

業種・事業形態別:決算月の選び方

「正解の決算月」は事業によって異なります。

飲食店・小売業の場合

飲食店や小売業は、年末年始や夏休みに売上が大きく変動する業種です。

  • 売上が少ない時期の直前を決算月にしない:12月決算を選ぶと、年末の繁忙期を経ての年明けすぐに決算業務が重なり、スタッフの対応も含めて大変になります。
  • 推奨:6月決算または10月決算:中間期に決算を置くことで、繁忙期と決算業務が重ならない配置が可能です。

建設業・製造業の場合

工事や製造は発注から納品、代金回収まで数か月かかることが多いため、資金繰りが重要です。

  • 考え方:代金の回収が終わって手元に資金がある時期を決算月にすると、納税に回す資金を確保しやすくなります。ただし売上が大きく上がる月の直後は、利益が膨らんだ状態で締めることになるため避けます。

IT・コンサルティング業の場合

ストック型ビジネスや継続案件が多い業種では、資金繰りの予測が比較的立てやすいです。

  • 推奨:3月決算、6月決算、12月決算:業務スケジュールや会社の成長段階に合わせて柔軟に選べます。

たとえば建設業の場合、年末(12月)や年度末(3月)に売上が大きく上がるため、その時期に決算を迎えると利益が膨らんだ状態で決算を締めることになり、税額も大きくなりやすい。決算期を春(4月や5月)にずらしておけば、繁忙期を終えてから余裕をもって決算作業に取り組め、節税対策を検討する時間も確保しやすくなる。

 

よくある誤解と注意点

誤解1:「3月決算が一般的だから3月にすべき」

統計データを見ると、日本全体では3月決算を選ぶ企業が約20%と最も多いです。次が9月(約11%)、6月と12月(各約9%)です。

しかし「多くの企業が選んでいる=あなたに最適」ではありません。むしろ3月決算は税理士の繁忙期に重なるため、個別対応が薄くなるというデメリットもあります。

誤解2:「決算月を途中で変更できない」

決算月は後から変更できます。ただし変更には手続きが必要で、場合によっては1事業年度が短くなったり長くなったりします。また、税務署への届け出も必要です。

初期段階で「とりあえず3月で」と決めて後から変更すると、初年度が短い期間になり、手続きが増えるため、最初に時間をかけて決める方が効率的です。

誤解3:「税理士の繁忙期を避ければOK」

確かに繁忙期を避けることは重要ですが、それだけで決めるのは不十分です。資金繰り、売上サイクル、業界の慣習なども総合的に判断する必要があります。

 

決算月を決める5ステップの流れ

実際に決算月を決めるときは、以下の順序で検討します。

ステップ1:事業の売上サイクルを把握する

「毎月均等に売上が入るのか」「季節変動が大きいのか」を把握します。

売上が入る月が決まれば、その2~3か月後に経営判断できるよう決算月を設定できます。

ステップ2:納税資金が確保できるか確認する

決算月の2か月後が納税期限になるので、その時点で納税資金があるかシミュレーションします。

資金が不足する見込みなら、融資計画や事業計画の見直しが必要です。

ステップ3:業界の慣例を確認する

同業他社がどの月を決算月にしているか調べます。

特に取引先が大手企業の場合、決算月が揃っていると取引管理がしやすいという利点もあります。

ステップ4:税理士と相談する

実際の経理処理や申告時期を踏まえ、専門家の意見を聞きます。

滋賀県内の事業所の場合、地元の税理士は滋賀県特有の支援制度や地域特性を把握しているため、意思決定の材料になります。

ステップ5:変更の手続きをあらかじめ理解する

決めた後で「やっぱり変更したい」となったとき、どの程度の手続きが必要かを理解しておきます。

 

よくある決算月の選択パターン

参考までに、起業家が実際に選んでいる決算月とその理由をまとめました。

決算月特徴推奨される事業
3月国や自治体の会計年度に合わせやすい。税理士が繁忙。大手企業との取引が多い業種
6月上半期・下半期の中間。資金管理がしやすい。中堅企業、季節変動がある業種
9月税理士の繁忙期を避けられ、じっくり決算できる。決算品質を重視する企業
12月カレンダー年度と一致。経営判断がしやすい。IT業界、BtoB企業

弊社のお客様では、3の倍数の月(3月・6月・9月・12月)を決算月に選ぶ方が比較的多い。一方で、年末年始に重なる12月決算や1月決算は少ない傾向にある。年末年始は業務が立て込みやすく、決算作業まで手が回らないという理由が大きい。

 

決算月と滋賀県の創業支援制度

滋賀県では、新設法人向けの支援施策が充実しています。決算月を決める際、これらの制度の対象期間に注意が必要な場合もあります。

滋賀県未来投資総合補助金など、特定の施策の対象となる事業年度や決算期が定められているケースがあります。補助金申請を計画している場合は、申請時期と決算月のズレを事前に確認しておくことをお勧めします。

また、滋賀県産業支援プラザなど地域の支援機関に相談する際も、決算月の計画があれば、より正確なアドバイスが可能になります。

 

まとめ

決算月は「会社設立時に一度決めたら変わらない要素」ではなく、事業のステージごとに見直す検討事項です。ただし、設立当初に最適な月を選んでおくと、以後の経営管理がずいぶん楽になります。

決算月を決める際の判断軸は「消費税の免税」「資金繰り」「業務負担」の3点に絞られます。このうち最優先は「資金繰り」です。納税時期に十分な資金があることが、会社の継続性を保つ最大の条件だからです。

関連する記事

← ブログ一覧へ戻る

まずはお気軽に
ご相談ください。

「検討中」の段階でも歓迎です。
滋賀の会社設立のことなら、税理士法人GrowUpへ。

CALL 無料相談