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会社設立 最終更新 2026年7月16日

起業は設立だけじゃない|後継者不在の会社を買う個人M&Aと会社設立の比較

「起業=会社設立」とは限らなくなってきました

起業を考えたとき、多くの方はまずゼロから会社を設立する方法を思い浮かべます。一方でここ数年、後継者がいない既存の会社や事業を個人が買い取って経営者になる「個人M&A」「スモールM&A」という起業のかたちが広がっています。 背景にあるのは経営者の高齢化です。中小企業庁の「2026年版中小企業白書」によると、中小企業の後継者不在率は低下傾向にあるものの、いまも約半数の会社で後継者が決まっておらず、黒字でも廃業を選ぶ会社が毎年出ています(出典:2026年版中小企業白書(中小企業庁))。BATONZやTRANBIといったマッチングサイトの普及で、数百万円規模の案件を個人が探せるようになったことも追い風になっています。 滋賀県も例外ではありません。製造業や建設業、小売業などで「技術も顧客もあるのに継ぐ人がいない」という会社は珍しくなく、これから起業する人にとっては、ゼロからの設立と並ぶ現実的な選択肢になっています。 当法人でも、「将来M&Aで売却することを前提に事業を育てたい」という起業家の方から顧問契約のご相談を受けたことがあります。売る側・買う側のどちらにとっても、M&Aが身近な選択肢になってきていることを実感しています。 この記事では、ゼロからの会社設立と「買う起業」の違いを、費用・期間・リスクの3つの観点で比較し、買う場合に最低限おさえるべきポイントを解説します。

会社設立と個人M&Aの比較|費用・期間・リスク

初期費用の違い

ゼロからの会社設立は、株式会社で登録免許税15万円+定款認証費用など計16万5千円〜20万円程度、合同会社なら6万円から始められます(合同会社は定款認証が不要で、電子定款なら収入印紙も0円のため、法定費用は登録免許税6万円だけです)。設立費用の内訳は滋賀で会社設立の手続きを専門家に依頼するメリットと費用相場で解説しています。 個人M&Aの場合は、譲渡対価が数十万円〜数百万円、場合によっては1,000万円を超えます。さらに仲介手数料やデューデリジェンス(買収前の調査)費用がかかります。初期費用だけを見れば設立のほうが圧倒的に安く済みます。

立ち上がりまでの期間と労力

設立起業は、会社を作った後に顧客ゼロ・実績ゼロから信用を積み上げる必要があります。売上が安定するまで1〜3年かかることも珍しくありません。 買う起業は、既存の顧客・従業員・設備・取引口座を引き継げるため、初日から売上が立ちます。飲食店や理美容室のように「場所と常連客」が価値の中心の業態、許認可の取得に時間がかかる業態(建設業・運送業・介護など)では、この差が特に大きくなります。

リスクの性質が違う

設立起業のリスクは「売上が立たないかもしれない」という将来のリスクです。一方、買う起業のリスクは「見えない負債や問題を一緒に引き継ぐかもしれない」という過去のリスクです。帳簿に載っていない債務、未払い残業代、老朽化した設備、キーマン従業員の退職など、買った後に発覚する問題への備えが欠かせません。

株式譲渡と事業譲渡|何を引き継げるかが変わります

個人M&Aの手法は、大きく株式譲渡と事業譲渡の2つに分かれます。

株式譲渡:会社を丸ごと引き継ぐ

株式を買い取り、会社の法人格ごと引き継ぐ方法です。許認可・取引先との契約・従業員の雇用契約が原則そのまま維持されるため、手続きはシンプルです。ただし、会社が抱える債務や保証、過去の税務リスクもそのまま引き継ぎます。

事業譲渡:必要な事業だけを買う

店舗・設備・営業権など、事業に必要な資産を選んで買い取る方法です。簿外債務を引き継ぐリスクを抑えられる反面、許認可は原則取り直しになり、従業員とも再度雇用契約を結ぶ必要があります。個人が事業譲渡で買う場合、受け皿として自分の会社を新設するケースが多く、このときは「会社設立+M&A」の組み合わせになります。新設する法人の形態選びは合同会社と株式会社はどちらで設立すべき?が参考になります。

買う前に最低限確認すべきこと(簡易デューデリジェンス)

大企業のM&Aのような本格調査は不要でも、次の点は買う前に必ず確認してください。
  • 直近3期の決算書と税務申告書(売上・利益の傾向、役員貸付金や簿外債務の有無)
  • 借入金と経営者保証の引き継ぎ条件(金融機関との調整が必要です)
  • 従業員の雇用条件と未払い残業代・社会保険の加入状況
  • 許認可の承継可否と、事業に必須な契約(賃貸借・フランチャイズ・代理店契約など)の変更条項
  • 売り手社長への依存度(技術・人脈が社長個人に紐づいていないか)
当法人でも、お客様から「提示された買取価格が妥当かどうかを確認してほしい」というデューデリジェンスのご依頼を受けた事例があります。 税務・財務の確認は独力では難しい部分です。売り手から提示された決算書の読み解きや価格の妥当性判断は、契約前に税理士へ相談することを強くおすすめします。

滋賀県で使える相談窓口と資金調達

公的な相談窓口

滋賀県事業承継・引継ぎ支援センター(国が各都道府県に設置)では、会社を売りたい経営者と買いたい個人・法人のマッチングや、承継手続きの相談を無料で受けられます。民間のマッチングサイト(BATONZ、TRANBIなど)と併用すると選択肢が広がります。

買収資金の調達

日本政策金融公庫には事業承継・M&Aに使える融資制度「事業承継・集約・活性化支援資金」があり、買収資金と運転資金をあわせて借りられる場合があります。創業融資との使い分けや滋賀県の制度融資については【2026年最新】滋賀県で使える創業融資まとめで詳しく解説しています。 なお、個人事業として小さく始めてから法人化する道もあります。判断基準は個人事業主から法人化するタイミングをご覧ください。

まとめ

ゼロからの会社設立は初期費用が小さく、自分の構想どおりに始められる一方、信用と売上をゼロから作る時間が必要です。個人M&Aは初日から事業が動いている状態を買える反面、過去のリスクを引き継ぐ可能性があり、決算書の確認と契約条件の精査が欠かせません。どちらが正解かは、業種・手元資金・経験によって変わります。滋賀で起業を検討していて「設立と買収、どちらが自分に合うか」を迷っている段階からでも、税務と資金計画の両面からアドバイスできますので、早めにご相談ください。 税理士法人GrowUpでは、経営者の引退側(売り手)に向けた事業承継・相続対策のサポートも行っています → 滋賀相続相談所はこちら

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