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2023年 11月 01日 会社設立

会社設立時から適格請求書発行事業者になるには?手順について解説

会社設立時に適格請求書発行事業者になることは、メリットもありますがデメリットもあります。ただし、適格請求書発行事業者になるためには手続きが必要です。本記事では、その手続きとメリット、デメリットについて詳しく解説します。

登録申請の手順と期限

前提として、設立時から消費税の課税事業者として取り扱われるのは主に以下の2つの場合です。

  • 資本金が1,000万円以上
  • 売上5億円超の会社が設立した子会社
  • 課税事業者選択届出書を提出している場合

一般的に初めて会社を設立し、資本金が数百万円の場合は消費税の免税事業者として取り扱います。そのため、最大2年間は、基準期間がないため免税事業者です。

しかし、2023年10月1日よりインボイス制度が始まります。初年度から適格請求書発行事業者になるためには申請書が必要です。

申請書の作成と提出方法

新設法人の場合、インボイス制度を適用する事業者に限っては「新設法人等の登録時期の特例」が適用されます。登録事業者になると決まっている場合には、事業開始届と一緒に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しましょう。以下の3つに該当すれば、課税期間の初日に登録を受けたものとみなされます。

  • 事業を開始した日の属する課税期間の初日から登録を受けようとする旨を記載した登録申請書提出
  • 提出期限は、事業を開始した日の属する課税期間の末日まで
  • 申請書提出後、税務署長により適格請求書発行事業者の登録が完了したとき

【参考】インボイス制度開始後に税務署へ提出する必要書類一覧

以下は、インボイス制度開始後に税務署に提出する必要書類一覧です。設立する会社の状況によっては不要なものもあります。ここでは、必要になる可能性がある書類すべてを紹介します。

必ず必要になる書類

  • 法人設立届出書
  • 源泉所得税関係の届出書

場合により必要になる書類

  • 消費税関係の届出書(課税事業者選択届出書・適格請求書発行事業者の登録申請書)
  • 青色申告の承認申請書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 減価償却資産の償却方法の届出書
  • 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の届出書
  • 申告期限の延長の特例の申請書
  • 事前確定届出給与に関する届出書

税務署への提出と審査

提出後、税務署で審査が行われます。過去に、消費税に関して何か問題が発生していなければ特に審査について心配する必要はありません。ただし、適格請求書発行事業者の登録申請書には、過去に罰則を受けたことがある場合には記載する箇所があるため、該当するものがある場合には正直に記載しておきましょう。税務署の審査完了には、数週間かかります。

会社設立時から適格請求書発行事業者になるメリットとデメリット

会社設立初年度から、適格請求書発行事業者になるメリットとデメリットについて解説します。

メリット

適格請求書発行事業者になると、法人企業への営業がしやすくなります。新規取引先獲得に有利な場合があります。例えば、取引先を1社に絞らなければならないとき、サービス内容に差がなければ仕入税額控除が受けられる取引先を選択する可能性があるでしょう。

デメリット

今までであれば、設立届を提出するだけでしたが適格請求書発行事業者の登録申請書も必要です。課税事業者選択届出書の提出と一緒に提出する必要があります。課税事業者の選択届出書を提出しているため、課税事業者として2年間の縛りが発生します。

会社設立時から適格請求書発行事業者になる場合の注意点

適格請求書発行事業者になるためには、課税事業者選択届出書の提出が必要です。例えば、設立から2年が経過し適格請求書発行の必要性がない場合、消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書の提出が必要です。この書類を提出しなければ、消費税の納税義務があり申告と納税が必要です。

また、高額特定資産の仕入れ等など課税期間中に発生した取引内容によっても免税事業者に戻れない場合があります。消費税の取り扱いについては、難しい判断も多いため専門家である税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

会社設立時から適格請求書発行事業者になることには、メリットもありますが手続きの煩雑さから生じるデメリットもあります。消費税は、事業者が自分で判断するには難しい内容もあり専門家への相談が必要です。インボイス制度の開始にともない、設立時に必要な書類も増えているため事前に確認しておきましょう。