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2023年 09月 01日 会社設立起業・開業

会社設立後に必要な税金とは?赤字でも納付が必要

会社を設立すると、個人事業主とは異なる税金がかかります。経営状態にかかわらず、法人を設立すれば必ず発生する税金もあります。なかには、消費税の納付もしなければならないケースがあります。本記事では、会社を設立すると発生する税金について解説します。

会社設立後に係る税金は4種類

会社を設立すれば、利益の額に関係なく納付しなければならない税金があります。よく耳にする「法人税」は、国税と地方税の2種類があります。赤字でも納付しなければならない税金が法人住民税です。法人税と法人事業税は、利益が出た場合に納付します。そのほか、地方自治体に納付する固定資産税もあります。

法人税

法人税は、会社が1年間に稼いだ法人税法上の所得に対して国に納める税金です。つまり、赤字の場合は、発生しない税金です。事業年度終了の翌日から2ヶ月以内に申告・納付する必要があります。法人税の計算方法は次のとおりです。 

法人税額 = 所得 × 税率

所得は、損益計算書上の利益から法人税法上の控除や加算を行った金額です。普通法人の場合、所得が800万円以下の場合は15%、超える場合は資本金1億円以下の中小企業で23.2%、資本金1億円超の大企業で25.5%の税率が適用されます。

法人住民税

法人住民税は、会社を設立しただけで発生する税金です。「都道府県民税」と「市区町村民税」の2種類あります。 一般的によく耳にする「均等割」と言われるものが、法人住民税です。均等割は赤字でも納付し、黒字の場合は更に法人税割を納付します。

均等割

事業所数や従業員数に応じて一定額を納付。赤字でも納付しなければならない。法人の所在する自治体により、金額が異なる。

法人税割所得に応じて納付。地方自治体により税率が異なる。

納付した税金は、公共サービスの充実を図るために活用されます。

法人事業税

法人事業税は、資本金等の金額で課税方法が異なります。1億円以下か1億円超かが基準です。法人事業税も法人住民税の法人税割と同様に、赤字の場合は課税されません。法人事業税は、所得割・付加価値割・資本割の3種類で構成されています。税率は、納付先である都道府県により異なります。

固定資産税|償却資産税

固定資産税は、土地や家屋に課税される税金です。納付先は地方自治体になります。毎年、国税庁から発表される評価額を基準に、納税額が決定します。固定資産税と一緒に償却資産税も発生します。償却資産税は、事業で使用する機械や設備など償却資産に課されます。ただし、課税標準額が免税点である150万円未満の場合、申告は必要ですが課税はされません。

番外編|登録免許税

会社設立には登録免許税がかかります。登録免許税は国税です。法人登記を行う際に発生します。登録免許税の額は、設立する法人の種類や資本金の額によって異なります。一般的な会社形態である株式会社と合同会社の場合は、以下のように計算します。

株式会社資本金 × 0.7% または150,000円どちらか高い額を納税
合同会社資本金 × 0.7% または60,000円どちらか高い額を納税

たとえば、資本金1,000万円の株式会社を設立する場合、1,000万円×0.7%=7万円のため、下限額と15万円を比較し、15万円を登録免許税として納付します。

状況によっては消費税も納付必要

会社設立後、資本金が1,000万円未満の場合は、最大2年間の免税期間があります。1年目から消費税の還付を受けるため、課税事業者を選択している場合があります。消費税は、商品やサービスの消費に対して国に納める税金です。消費者が最終的に負担する税金です。しかし納税義務者は消費税を受け取った会社です。 また、インボイス制度の影響から免税期間を利用せず課税事業者になることも検討しなければなりません。最終消費者が一般の方であれば、免税期間を活用し消費税を納付する必要はありません。しかし、課税事業者との取引がある場合は、課税事業者になる検討が必要です。 (参考記事:国税庁 新規開業又は法人の新規設立のとき

まとめ

会社を設立すると、個人事業主とは違った税金が発生します。会社の利益に対して法人税や法人事業税が課税されます。場合によっては消費税や固定資産も納付しなければなりません。また、会社の設立時には登録免許税などの費用が発生します。これらの税金の種類と計算方法を把握しておくことで、会社経営の際にトラブルを避けられます。必要に応じて、会社設立に詳しい専門家に相談することもおすすめです。