副業サラリーマンの会社設立にメリットは?どんな節税効果があるの?
在宅勤務の増加や勤務時間の短縮、企業側の副業への容認などにより、副業するサラリーマンが増えています。さらに副業での所得が増え、会社設立を考える人も出てきました。
そこで副業サラリーマンが会社設立をするメリットや節税効果などについて、簡単に解説していきましょう。
目次
副業とは
主な収入源がありつつも、プラスの収入を得るために他の業務を行うことを副業と呼びます。副業の形態はどのようなものでもかまいません。アルバイトとして別会社に雇用されるのか、細かな外注を請け負って在宅で行うのか、など、様々な形態があります。
副業サラリーマンの会社設立
主たる収入源はサラリーマンでの給料であり、さらに副業を行う人のことを、最近では副業サラリーマンと呼びます。しかし副業とは言いつつも、給料までは届かずともそれなりの金額となってしまっている方も多いでしょう。そこで副業サラリーマンが会社設立をするメリット、デメリットをご紹介していきます。
副業サラリーマンが会社設立する5つのメリット
- 経費計上の幅が広がる
会社を設立すると、今までは経費とできなかったものが経費として処理できます。特に大きいのは親族への給与で、次いで大きいのはジムや健康診断などの福利厚生費でしょう。
- 所得に給与所得控除が使える
サラリーマンでの給与には、給与所得控除が利用できます。自身で会社を設立した場合も取締役として給与をもらうことになりますので、給与所得控除が利用できるのです。青色申告による控除は65万円までと決まっていますが、給与所得控除ではほぼ金額制限はありません。ですから給与所得控除が利用できるのは、大きなメリットですね。
- 社会的な信用が増す
基本的に会社が取引を行う場合、取引先がすぐにつぶれないのか、反社会的勢力と繋がっていないのかなどを気にします。そのため自営業よりも手間のかかる会社設立を行うことで、社会的な信用を得ることが可能です。さらにそのおかげで、資金調達や助成金認可などが行われやすいこともメリットと言えるでしょう。
- 赤字の繰越が可能
会社設立によって、赤字繰越が可能です。黒字になったときに赤字と相殺できますので、節税に役立ちます。ただし赤字の繰越は最長10年なので、その点には注意が必要です。
- 会社バレのリスクを減らせる
副業の会社バレを避けたい、という方もいますよね。実は会社設立をすることで、会社バレのリスクが減らせます。
- 社長を親族や信頼できる人にする(株主を自分にしておけばOK)
- 給与をもらわずに会社に利益をプールしておく
- 「これ経費になるから」と安易に口にしない
これら3つの事項に注意しておけば、副業の会社バレリスクが大幅に減少します。
副業サラリーマンが会社設立する4つのデメリット
- 設立に費用がかかる
会社設立の費用だけでなく、会社を解散する時にも費用がかかります。とはいえ会社設立を考えるほどの年商である場合には、気になるほど大きな費用ではありません。
- 法人税と住民税の支払いがある
設立後には毎年法人税と住民税の支払いが必要です。さらに赤字でも住民税の均等割は支払義務がありますので、注意しましょう。
- 社会保険料の支払いが発生することもある
会社バレを防ぐために給与をもらっていないのであれば関係ありませんが、給与の支払いがあれば社会保険料も支払わなくてはなりません。しかも社会保険料というのは、半額を会社が負担しているのです。そのため自身の会社からの給与の場合には、感覚的には全額社会保険料を負担しているように思えてしまいます。結果、想定よりも社会保険料が多額になってしまうこともあるので、注意しましょう。
- 事務負担が増える、もしくは外注の費用がかかる
会社を設立すると、法人税や社会保険料の支払いなどもあり事務作業が多くなります。そこで時間捻出が難しい副業サラリーマンには、事務作業の外注をおすすめします。経理だけでも代行すれば、大幅な事務作業軽減になりますし、さらに申告も代行してしまえばより作業は減ります。
副業サラリーマンの節税効果
副業サラリーマンが会社を設立することで節税効果がある、と聞いたことがあるかと思います。これは先程記載した、経費計上や給与所得控除などによるものです。そのため確かに節税効果はありますが、副業サラリーマンだからといって、一概に会社設立したほうが良い、ということではありません。
ぜひ一度、私ども税理士法人GrowUpへご連絡いただければ、会社設立の可否からご相談に乗らせていただきます。
会社設立、経理の事務手間は外注を
先程、会社設立には費用がかかるとご紹介しましたが、実は会社設立に費用がかからない方法もあります。以下の記事をご参考にされてください。
(参考記事:会社設立は自分でできる!でもプロに委託した方が安いって本当?)
基本的に副業サラリーマンは時間がないので、会社設立、経理などの外注可能な部分は積極的に活用しましょう。
まとめ
- 5つのメリットと4つのデメリットを比較して、会社設立をするかどうか決めよう
- 会社設立や経理事務などの手間のかかる作業は積極的に外注を利用しよう
ここまで副業サラリーマンが会社設立をするメリット、デメリットや節税効果などについて解説してきました。もしもわからないことがありましたら、ぜひ私ども税理士法人GrowUpへご連絡ください。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。