通帳のないネット銀行でも会社設立できる!資本金の払込証明の注意点
会社設立をするにあたり、メガバンクや地元の銀行を利用せず、ネット銀行を利用する人が増えています。しかしネット銀行には通帳がないため、資本金の払込証明が難しいと思っている人も多くいます。
そこでネット銀行を利用して会社設立する場合のメリットやデメリット、さらに資本金の払込証明の注意点などを解説していきます。会社設立にネット銀行を利用されたい方は、ぜひご一読ください。
目次
会社設立にネット銀行は使える?
会社設立をする時にネット銀行が使えます。
以前は「払込金保管証明書」という書類の発行が必要でしたが、この書類が簡略化されたからです。上記の証明書は金融機関によっては発行を拒否されることもあり、あまり良い制度とは言えませんでした。そのため証明書を簡略化することで、会社設立を簡単にしたのです。
このような流れから、ネット銀行に開設してある口座へ資本金払込をしても問題はなくなりました。ただし資本金の払込証明自体は必要なものなので、どのような項目があれば良いのかを理解しておきましょう。
ネット銀行で資本金の払込証明をする際の注意点
では続いて、ネット銀行へ資本金の払込証明をする時に必要な項目を紹介します。これらが抜けてしまっては証明になりませんので、注意して印刷してください。
- 払込先金融機関名
- 払込先口座名義人(代表発起人であることが大事)
- 振込日(定款認証後でなければならない)
- 振込金額
「どこの銀行」の「誰の口座(必ず代表発起人)」に「いつ(定款認証後)」「いくら」入金されたのか、という4つの事項が確認できれば資本金の払込証明になるということです。そのためネット銀行のどのページを印刷すれば良い、ということは言えませんが、それらの情報が入っている部分を1枚ずつ印刷すれば良いので、難しくはないでしょう。もちろん全ての情報が1枚に入ってなくてはいけないわけではないので、安心してください。
なお、払込をする口座は代表発起人のものであれば良く、資本金の払込のために新しく口座を開設する必要はありません。また資本金の払込の前後で口座残高を0円にする必要もなく、普通のプライベートの入出金がある途中に入り込んでしまってOKです。
ネット銀行のメリット・デメリット
会社設立をするにあたり、ネット銀行に資本金の払込をしても良いということはご理解いただけたかと思います。しかしこの場合のネット銀行は、代表発起人の口座がネット銀行で良いという話であり、会社の法人口座はネット銀行であるかどうかは関係がありません。
そこで次は、会社の法人口座でネット銀行を利用するかどうかを考えていきましょう。法人口座をネット銀行で開設した場合のメリットとデメリットを解説します。
法人口座をネット銀行で開設するメリット
- 口座に維持費がかからないことがほとんど
- ネット銀行はネットバンキングの利用料がかからない
- 振込手数料や入金手数料が安価に設定されている
- 一年中、日時を気にせず振込が可能
- インターネットに繋がる環境であればすぐに口座開設できる
- 同一銀行内に複数の法人口座を作れるネット銀行もある
1~3のメリットはどれもコスト削減に関係することです。基本的にネット銀行の大きなメリットの一つに、コスト削減が挙げられるでしょう。ネット銀行よりも安い銀行はありません。これはほとんど実店舗を持たないのがネット銀行であるからです。
さらに日時を気にせずに振込ができるのも、大きなメリットでしょう。別の仕事をしながら会社設立をしようとしている人ほど、日時を気にせずに取引できる銀行というのは助かります。振込だけでなく口座開設自体もいつでもできるので、こちらもメリットですね。
法人口座をネット銀行で開設するデメリット
- 実店舗がほとんどない
- ネームバリューが弱く、信用力が低い
- 資金調達は難しい
実店舗がほとんどないということは、何かの手続きをしていてわからないことがあった場合に誰かに面と向かって質問できないということです。しかしネット上でチャットやメールでの問い合わせはできますし、電話をして質問することもできます。それらのフォローでは心配、という場合にはメガバンクや地方銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行で法人口座を開設するのがお勧めです。
またネット銀行の大きなデメリットに、信用能力が弱いことが挙げられます。取引先が大きければ大きいほど、ネット銀行は良い顔をされません。ほぼノーチェックで口座開設ができるのがネット銀行のメリットですが、それは信用できるかわからない会社でも口座開設できるということです。そのためネット銀行の口座では会社の信用問題に傷がつくこともある、と覚えておきましょう。
ネット銀行はお勧め
ネット銀行のデメリットが関係ない会社ほど、ネット銀行がお勧めです。ネームバリューと資金調達の部分がネックでなければ、法人口座を開設するならネット銀行一択、と言っても良いでしょう。
ネット銀行で会社設立なら代行も
ネット銀行で法人口座を開設する場合のメリットとデメリットを理解したうえで、もしもネット銀行で会社設立を考えている場合、会社設立自体を私ども税理士法人GrowUpへ代行依頼してみてはいかがでしょうか。ネット銀行で会社設立をする方は、昼間に外出できない状況であったり、在宅仕事がメインであったり、色々な事情があると思います。だからこそ会社設立や申告などの事務手続きは代行がお勧めです。
また会社設立は一時期より簡単になり、自分で会社設立することもできます。しかし実際には面倒なことも多く、たくさんの時間をかけることになってしまい、自分がしたい事業がおろそかになってしまうことが多いです。それについては以下の参考記事をご一読ください。
(参考記事:会社設立は自分でできる!でもプロに委託した方が安いって本当?)
まとめ
- 4項目に気をつければ、ネット銀行で資本金の払込証明が可能
- メガバンクや地方銀行などで開設しなくてはいけない理由がない限りは、ネット銀行で法人口座を開設するのがお勧め
ここまでネット銀行で資本金の払込証明を行う場合の注意点やネット銀行で法人口座を開設するメリット・デメリットをご紹介してきました。基本的にはネット銀行は簡単に開設できますし、会社設立をできるだけ早く行いたい人ほど、ネット銀行が良いでしょう。ネット銀行のデメリットが気にならなければ、ぜひネット銀行で口座開設することを検討してみてください。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。