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2023年 07月 01日 会社設立起業・開業

個人事業主は夫婦で共同経営ができないって本当?会社設立なら?

昨今、夫婦で起業する方が増えています。しかし夫婦で共同経営する場合、どちらか一方を個人事業主、もう一方を青色専従者とすることがほとんどです。しかし今回お勧めするのは、夫婦で会社設立をすること!

こうすることで「お互いを対等な共同経営者」にできますので、営業したり、自己紹介しなくてはいけないときに、気後れする必要がなくなります。とはいえ会社設立にも様々なメリット・デメリットがありますので、夫婦で会社設立をするなら、という点に焦点を当てて解説していきましょう。

個人事業主と青色専従者の関係

夫婦が独立して個人事業主となる場合、どちらも別々の売上がある必要があります。別々で事業を行っているため、夫婦が独立して個人事業主となれるのです。

逆に「どちらか一方に売上があり、それを分配したい」時には、売上のあるほうが個人事業主となります。ただそのままですと、せっかく二人で共同経営しているにも関わらず、売上のたっていない方には給料がありません。

そこで売上がたつ方を個人事業主、そして個人事業主から給料をもらう方を青色専従者にします。そうすることで、2人に別々の所得が発生するのです。

青色専従者は個人事業主にはなれない

ただ青色専従者は、その事業に専ら従事している必要があるため、個人事業主として開業することはできません。そのため青色専従者の給与以外の売上は、雑収入として計算しなくてはならず、控除も使えずに雑所得となってしまい税金も多くなる傾向があります。

そのため、青色専従者の給与よりも自分の売上のほうが大きいのであれば、青色専従者にはならずに個人事業主者として開業し、もう片方からの給与はなし、という扱いにするほうが良いこともあります。

夫婦で会社設立のススメ

売上額やどの程度の分配を行うかによって、お勧めする形式は変わりますが、完全共同経営であるならば「個人事業主+青色専従者」という形ではなく、夫婦で会社設立も一つの選択肢となります。

これであれば、2人がどんな事業で売り上げたとしても、とにかく会社の売上であるため、会社から給料を支払ってもらう形になります。二人とも取締役として会社から報酬を受け取るため、税金の操作も行いやすいのが大きなメリットです。また児童手当などの所得制限に引っかからないよう報酬を変えることもできるので、夫婦で会社設立をするメリットは思っている以上に多いでしょう。

夫婦で会社設立することのメリット・デメリット

では夫婦で会社設立をする場合、メリット・デメリットを何個か記載いたします。自分たちにとってメリットが大きいのか、デメリットが大きいのか、考える助けになりますと幸いです。

夫婦会社設立のメリット

  • 精神論:家族の時間が増える、絆が深まる等
  • 節税:所得分散がしやすい
  • 節税:片方の給料を規定の金額に抑えることで、配偶者控除や配偶者特別控除が利用できる
  • 経費:旅行を福利厚生費や取材費等で落とせることがある
  • 相続や離婚時にも事業継続がしやすい
  • 社会保険の保障が手厚くなる

夫婦会社設立のデメリット

  • 精神論:自分の時間がなくなりやすい、プライベートと仕事の切り分けがしづらい
  • 社会保険の負担が大幅に増える

一番大事なのはうまくいくかどうか

夫婦で会社を設立して共同経営するのであれば、結局のところ「その事業がうまくいくかどうか」が大事です。うまくいっていれば、家庭内はいつも笑顔で溢れている環境になりやすいですが、うまくいっていなければ、ギスギスした家庭内になってしまうのは想像に容易いでしょう。

ですから夫婦での会社設立をするなら、メリット・デメリットよりも事業がうまくいくか、に焦点を当てることをお勧めします。先にどちらかが個人事業主で開業してみても良いでしょうし、とりあえずは「個人事業主+青色専従者」でも良いでしょう。「これなら大丈夫!」と思ったタイミングで、夫婦での会社設立をお勧めします。

会社設立をする所得のライン

夫婦であろうとそうでなかろうと、会社設立を検討する目安は、個人事業主の売上が1000万円を超えたあたりでしょう。ただ社会保険料やその他の固定費を考えると、その程度ですと案外安心して運営できない可能性もあります。

ぜひ以下の記事をご一読ください。

(参考記事:会社設立の目安は?売上や所得がいくら以上になったら?

夫婦で会社設立なら合同会社がお勧め

一言で会社設立といっても、会社には4種類あります。とはいえ、基本的には「株式会社」か「合同会社」の2択です。そしてその2つなら、合同会社での会社設立がお勧めです。

なぜなら合同会社のほうが意思決定を素早く行えるからです。せっかく経営者が近くにいるのですから、事業の方針は手軽に変更できたほうが良いでしょう。

株式会社と合同会社の違い等を知りたい場合には、ぜひ以下の参考記事をご覧ください。

(参考記事:合同会社とは?株式会社との違いや会社設立の流れをわかりやすく解説

まとめ

  • 夫婦で共同経営するなら「個人事業主+無給(別の事業の売上があり、自分でも個人事業主となっている)」「個人事業主+青色専従者」「会社設立をして共同経営」の3つがある
  • 夫婦で共同経営するなら、「うまくいくか」が一番大事

ここまで個人事業主と青色専従者の関係や夫婦で共同経営するなら合同会社の設立が良い、というお話をしてきました。とはいえ「今が会社設立すべきときなのか」は、その事業によります。現状からどのようにすれば節税しやすいのか、生活しやすくなるのか、なども合わせ、実際に会社設立するかどうかを含め、私ども税理士法人GrowUpへご相談ください。スタッフ一同、お客様からのご連絡お待ちしております。