建設業で会社設立する手順と費用|許可が取れる資本金の決め方を解説

目次
建設業の法人化を検討する個人事業主が増えている
滋賀県内の建設業許可業者数は、2018年の5,355業者を底に増加傾向にあり、2024年には5,597業者まで回復した(国土交通省 建設業許可業者数調査)。滋賀県の産業構造を見ると、建設業は卸売・小売業に次いで企業数が多く、そのうち小規模事業者が90%を超える(滋賀県中小企業白書)。
つまり、個人事業や少人数の会社で建設業を営んでいる方が大半ということになる。こうした事業者の間で、「元請けから法人じゃないと取引できないと言われた」「公共工事の入札に参加したい」といった理由で法人化を考えるケースが増えている。
当事務所に相談に来られる建設業の個人事業主も、法人化を検討するきっかけは元請けからの要請が多い。「法人でないと発注できない」と言われて初めて法人化を真剣に考え始めるケースです。
ただし、建設業の会社設立には一般的な法人設立にはない「建設業許可」という要素が加わる。ここを見落とすと、設立後に許可が取れないという事態になりかねない。法人化を考え始めた段階で個人事業主から法人化するタイミングの目安も確認しておくとよい。
建設業の会社設立で失敗しやすい3つのポイント
定款の事業目的に許可業種が入っていない
会社設立時に作成する「定款」の事業目的欄に、建設業許可を取得したい業種が記載されていないと、許可申請ができない。たとえば「建築一式工事業」「内装仕上工事業」「電気工事業」など、取得したい業種名を明記する必要がある。
後から定款を変更することは可能だが、変更登記に数万円の費用がかかるため、最初の段階で正しく記載しておくのが合理的です。
資本金の額と許可の財産要件を満たしていない
一般建設業許可を取得するには「財産的基礎」の要件を満たす必要がある。具体的には、次の3つのうちいずれか1つをクリアすればよい(国土交通省 建設業の許可とは)。
- 自己資本(純資産)が500万円以上であること
- 500万円以上の資金調達能力があること(金融機関の残高証明書などで証明)
- 許可申請直前の5年間、継続して許可を受けて啶業した実績があること
新設法人の場合、3つ目の「5年間の実績」は当然ないため、資本金を500万円以上に設定するか、預金残高証明書で500万円以上を証明するかのどちらかが現実的な選択肢となる。
ここで注意すべきなのは、「自己資本=資本金」ではないという点です。自己資本は貸借対照表上の「純資産」で判断される。設立直後であれば資本金=純資産になるため、資本金500万円以上で設立すれば財産要件はそのままクリアできる。
経営業務管理責任者・専任技術者の要件を確認していない
建設業許可には「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」を営業所ごとに配置する必要がある。経営業務管理責任者は、建設業に関し5年以上の経営経験(取締役や個人事業主としての経験)が求められる。専任技術者は、資格保有または10年以上の実務経験が必要になる。
これらの要件は個人事業時代の実績で満たせることが多いが、「個人事業主としての経営経験を証明する書類がない」という相談も少なくない。法人化の前に、確定申告書・請求書・契約書などの書類が揃っているかを確認しておくべきです。
建設業の会社設立から許可取得までの流れ
会社設立と建設業許可取得は別々の手続きだが、並行して準備を進めるのが効率的だ。全体の流れは以下のとおり。
①会社の設立手続き(2〜3週間)
定款の作成・認証(公証役場)→ 資本金の払い込み → 設立登記(法務局)の順で進む。株式会社の場合、登録免許税15万円+定款認証手数料3〜5万円で、合計約20〜25万円が設立費用となる。合同会社なら登録免許税6万円で済むため、費用差は大きい。株式会社と合同会社の比較も参考にしてください。
②設立後の届出(設立から1〜2週間以内)
税務署・県税事務所・市区町村への法人設立届出、年金事務所への社会保険加入手続きなどが必要になる。届出の期限は種類によって異なるが、設立後2ヶ月以内が目安です。具体的なリストは会社設立後すぐにやるべき準備リスト10選にまとめている。
③建設業許可の申請(1〜3ヶ月)
設立登記が完了し、履歴事項全部証明書が取得できた段階で、滋賀県の場合は土木交通部監理課(建設業係)に許可申請を行う。申請から許可が下りるまでの標準処理期間はおおむね30日〜45日程度だが、書類の不備があれば補正指示が入り、さらに時間がかかることもある。
申請手数料は、知事許可の新規申請で9万円(一般・特定それぞれ)が必要になる。
建設業で法人化すると何が変わるか
個人事業のまま建設業を続けることもできるが、法人化には以下のような実務上のメリットがある。
信用面の変化:法人化すると元請けや発注者からの信用度が上がり、取引の幅が広がる。公共工事の入札参加も法人が前提になるケースが多い。
資金調達:金融機関は一般的に、法人のほうが個人事業主より融資審査を通しやすい傾向にある。滋賀県で使える創業融資を活用すれば、設立時の資金負担を軽減できる。
税金面:売上が一定規模(年間売上800〜1,000万円が一つの目安)を超えると、個人の所得税・住民税より法人税のほうが税負担を抑えやすくなる。役員報酬を経費にできる点も大きい。
事業承継:建設業は代替わりの局面を迎えている事業者も多い。法人であれば株式の譲渡で事業を引き継げるため、個人事業の廃業→新規許可取得という手順を踏まなくて済む。
建設業全体では、就業者のうち55歳以上が36.7%を占め、29歳以下は11.7%にとどまっている(国土交通白書 令和6年度)。10年以内に大量の退職者が見込まれる中で、事業承継の準備を進めておくことは経営上の課題として避けられない。
税理士法人GrowUpが建設業の会社設立で選ばれる理由
当事務所は、会社設立の手続きだけでなく、設立後の税務届出・経理体制の構築・創業融資の申請まで一括して対応している。設立手数料は0円で、電子定款に対応しているため定款認証の印紙代4万円も不要になる。
建設業の法人化では、許可取得を見据えた定款設計や資本金設定のアドバイスが欠かせない。行政書士事務所に許可申請を依頼する場合でも、税務面の相談と設立手続きをワンストップで対応できるのは税理士法人の強みです。
実際に建設業の法人化を支援したクライアントでは、法人化後に工事台帳の作成を支援し、現場ごとの利益管理や問題点の洗い出しまでサポートした。設立手続きだけで終わらないのがGrowUpの特長です。
草津駅・彦根駅から徒歩5分の立地で、滋賀県全域に対応している。建設業に限らず、創業者向けの応援割引も用意しているので、法人化を検討中の方は早めに相談してください。
まとめ
建設業で会社を設立する場合、通常の法人設立に加えて建設業許可の取得が必要になる。定款の事業目的、資本金500万円の財産要件、経営業務管理責任者・専任技術者の配置要件は、設立前に確認しておかないと後からやり直しになる。
設立手続き→届出→許可申請を並行して進めれば、最短2〜3ヶ月で事業をスタートできる。費用面では株式会社で約20〜25万円、合同会社で約6万円に加え、許可申請手数料9万円が目安になる。法人化によって信用力・資金調達力・税制面でのメリットを得られるため、事業規模が一定以上の個人事業主は検討する価値がある。
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税理士法人GrowUpは滋賀県草津市に拠点を置いており、草津市・大津市・守山市・栗東市・彦根市・近江八幡市など滋賀県全域の会社設立をサポートしています。
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