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2026年 03月 15日 会社設立起業・開業

個人事業主から法人化するタイミング|滋賀の税理士が年収・売上の目安を解説

個人事業主から法人化するタイミング|滋賀の税理士が年収・売上の目安を解説

 

「そろそろ法人化した方がいい?」と感じるタイミングは人それぞれ

個人事業主として事業を続けていると、ある時期からこんな疑問が浮かびます。「もう会社にした方が税金が安くなるんじゃないか」「取引先に株式会社じゃないと断られた」「社会保険に加入したい」——理由は人それぞれです。

ただ、法人化のタイミングを見誤ると、税負担が増えたり、手続きコストだけかかって絀税効果が薄かったりします。この記事では、滋賀県で活動する個人事業主の方に向けて、税務・資金・対外信用の3つの観点から「法人化を検討すべき具体的な目安」を整理します。

実際、一時期話題になった「ミニマム法人」を「やっぱり閉じたい」とご相請に来られる方も増えています。節税目的で設立したものの、維持コストや事業負担が想定より重く、後悔されているケースです。法人化は設立後の運営コストまで含めたうえで判断することが大切です。

 

目安①:課税所得が900万円を超えたら税率差が生まれる

法人化の最も基本的な判断基準が「税率差」です。

個人事業主の所得税は累進課税で、課税所得が900万円を超えると税率が33%に上がります。住民税10%を加えると合計43%。これに対して法人税の実効税率は、中小法人(資本金1億円以下)の場合、所得800万円以下の部分で約15%、超過部分でも約23.2%です。地方税を含めた法人実効税率はおおむね30〜34%程度に収まります(中小企業の場合)。

つまり、課税所得が900万円前後になると、個人と法人の税率差が逆転し始めるということです。

ただし、法人化すると経営者自身の給与(彸員報酬)を会社の経費にできます。彸員報酬に給与所得控除が適用されるため、所得税の計算が有利になります。この効果も含めると、一般的には課税所得700〜800万円あたりから法人化の節税メリットが出始めると言われています。

彸員報酬と所得分散の効果

法人化すると、家族を彸員や従業員として雇用し、所得を分散させることができます。個人事業の場合、配偶者に給与を支払えるのは青色事業専従者給与の範囲内ですが、法人なら実態に合った金額を彸員報酬として設定できます。

法人が積み立てられる保険・退職金の活用

法人では、生命保険の保険料を会社の経費に計上したり、彸員退職金を将来的に支払ったりすることが可能です。個人事業では退職金は原則として経費になりませんが、法人では退職金を活用した長期的な税務戦略が立てられます。

 

目安②:年間売上が1,000万円を超えたら消費税を考える

消費税の観点でも、売上1,000万円は重要な節目です。

個人事業主の場合、「課税売上高が2年前(基溜期間)で1,000万円を超えると消費税の課税事業者になる」というルールがあります。対して法人は、設立初年度と2年目は原則として消費税の免税事業者になれます(資本金1,000万円未満かつ特定期間の要件を満たす場合)。

つまり、売上が1,000万円を超えるタイミングで法人化すると、最大2年間の消費税免税メリットが得られる可能性があります

インボイスㄶ度(2023年10月〜)で話が変わった

2023年10月からインボイスㄶ度が始まり、状況が複雑になりました。

取引先が課税事業者(法人・個人を問わず)の場合、インボイス(適格請求書)を発行できない免税事業者から仕入れても、仕入税額控除が使えません。このため、BtoB取引が中心の個人事業主は「インボイス登録せざるを得ない」状況になっているケースが増えています。

インボイス登録をすると課税事業者になる = 免税メリットが消えます。このため、2024年以降に法人化を検討する場合は、インボイス登録の有無・タイミングも含めて税理士と確認することが重要です

実際、取引関係でインボイス登録を余儀なくされた方の中には、「消費税の免税メリットが得られないなら最初から法人にしよう」と判断されるケースが増えています。消費税の節税より対外的な信用を優先した法人化の形です。

 

目安③:絀税以外の理由で法人化を選ぶ場合

税金の数字だけが法人化の判断基準ではありません。以下のような理由で、売上が低い段階でも法人化を選ぶケースがあります。

取引先・金融機関からの信用力個人事業主より法人の方が与信審査が通りやすいと言われています。大手企業や公共機関と取引する際に「法人格がない」ことで断られるケースもあります。許認可業種(建設業・不動産業など)では、法人化が許認可取得の要件になる場合もあります。

社会保険への加入法人化すると、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が強制になります。コスト増に見えますが、将来の厚生年金受給額が増えることや、健康保険の傷病手当金が受けられることを重視して法人化を選ぶ方もいます。

事業承継・後継者への引き継ぎ個人事業は原則として「その人の事業」であり、引き継ぎが難しい側面があります。法人化しておくと、株式の移転や事業承継税制の活用が可能になります。

 

法人化のデメリットも把握しておく

法人化はメリットばかりではありません。判断前に確認が必要な点を整理します。

設立費用と維持コストがかかる株式会社の設立には登録免許税などで最低約20〜25万円の費用がかかります(定款認証費用含む)。合同会社なら6万円程度。加えて、紩理士への顧問料や申告費が個人事業より高くなることが多いです。

法人住民税の均等割(赤字でも発生)法人は、赤字であっても毎年最低7万円程度(都偓府県・市町村合計)の法人住民税均等割が発生します。事業がうまくいかない年でも固定コストとして払い続ける必要があります。

社会保険料の負担増役員報酬を設定すると、健康保険・厚生年金に加入しなければならず、会社と本人が折半で保険料を支払います。報酬額によっては、個人事業主時代の国民健康保険・国民年金より負担が増える場合があります。

 

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税理士法人GrowUpは滋賀県草津市に拠点を置いており、草津市・大津市・守山市・栗東市ヽ彦根市・近江八幡市など滋賀県全域の会社設立をサポートしています。

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